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糖尿病黄斑浮腫について

メディカルレチナ
2020/06/25

糖尿病黄斑浮腫について

 

糖尿病黄斑浮腫は、糖尿病網膜症で視力が低下する原因となる頻度の高い合併症です。黄斑は網膜の中心にあり、ものを見るために最も重要な部分です。黄斑付近に毛細血管瘤などが多発したり、血管からの血液成分の染み出しが顕著になると、黄斑にむくみ(黄斑浮腫)が生じます。歪んで見えたり、視力低下をきたします。黄斑浮腫は網膜症の進行に伴い、黄斑浮腫を呈する症例の割合は増えていきます。
これまでは糖尿病黄斑浮腫に対してレーザー光凝固,ステロイドの眼局所注射,硝子体手術などが行われてきました。近年,血管内皮増殖因子(VEGF)が糖尿病黄斑浮腫の発症と進展に関与することが明らかとなり、抗VEGF薬の硝子体投与が第一選択治療となりました。現在、国内で認可されている抗VEGF薬にはアイリーアとルセンティスの2剤があります。

 

2つの抗VEGF薬はどちらも糖尿病黄斑浮腫に対して視力改善効果があります。治療効果は治療開始時の視力に依存し、治療開始時の視力障害が軽度であれば2つの抗VEGF薬の改善効果に差はありませんが、視力障害が重度(0.4未満)の場合は、アイリーアの改善効果の方が高いことがわかっています。抗VEGF薬を使った治療は、視力の改善を目的とした導入期と、改善した視力を維持するための維持期にわけて考えます。糖尿黄斑浮腫では、導入期に抗VEGF薬を6回連続毎月投与を行うことで浮腫は吸収し、視力改善することが多いです。その後、病状に応じた抗VEGF薬の硝子体投与やレーザー光凝固により、視力の維持に努めます。

 

治療にステロイドを選択することもありますが、抗VEGF薬の方が視力改善が持続することが知られています。また、抗VEGF薬の6回連続毎月投与後、糖尿病黄斑浮腫が遷延する際にステロイドへ治療薬を変更することがありますが、その治療効果は限定的なことが多いです。

 

抗VEGF薬を用いた維持期の治療は、3次元眼底像撮影装置であるOCTによる中心領域網膜厚や視力の悪化がある場合に抗VEGF薬を再開し、それらが落ち着くまで抗VEGF薬を継続します。DRCR.netの再投与基準に従えば、悪化がない限り抗VEGF薬による継続的な治療がなくても、視力改善が維持されることが明らかになっています。 導入期中の治療開始3カ月で、視力の改善がない場合でも治療の継続を考えます。抗VEGF薬への早期からの良好な治療反応は、長期的に良好な視力と関連がありますが、早期の治療反応が良くない場合でも、治療を継続することで、視力の改善が認められることが多いことがわかっています。

 

視力が良好(0.8以上)な場合には経過観察とし、視力低下を認めた場合に抗VEGF薬で治療を開始します。

 

参考
・Rod McNeil. Wait, Treat, Repeat? A practical guide to managing diabetic macular edema. the Ophthalmologist 05/13/2020

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